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宇宙エレベーター協会 第3回ワークショップ
2009-05-24
5月24日
主催 宇宙エレベーター協会 
開催場所 日本大学理工学部駿河台校舎

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投稿された内容の著作権はコメントの投稿者に帰属します。

投稿者 スレッド
admin
投稿日時: 2009-5-28 21:42  更新日時: 2009-6-3 21:01
管理人
登録日: 2005-11-24
居住地:
投稿数: 105
 Re: 宇宙エレベーター協会
地上と宇宙を結ぶ次世代の輸送機関「宇宙エレベーター(以下SE)」。

SE実現に向けて研究と情報発信を行っている宇宙エレベーター協会による「第3回ワークショップ」が開催された。

午前の部では、5月に実施された公開実験の結果と8月に予定されている「第一回宇宙エレベーター技術競技会」の詳細について、説明と報告がなされた。

午後の部では、SE実現の鍵を握るとみなされている注目素材、「グラフェン」の現状について、NTT物性科学基礎研究所・主任研究員の永瀬雅夫氏が講演を行った。

『グラフェンとは、「炭素(カーボン)の同素体のひとつであるグラファイト(黒鉛)を構成する2次元の結晶」のこと。
同じ仲間にはダイヤモンドやカーボンナノチューブ(以下CNT)があり、ポストシリコンの最右翼として注目されているデバイス素材。

その特徴は、「早い、強い、安定」。

シリコンの約100倍の電子移動度、鉄の約5倍の強度(密度は1/3)、かつ、熱的・化学的に安定している。

今、グラフェンの研究は世界的なブームで、2008年の論文件数は約1000件。今年は2000件を超えるのではないかと言われており、この数は、CNTが10年かかったのをわずか4年で達成するほどの勢いだ。

将来的にグラフェンは、透明電極材料やセンサー、高強度機構材料など、産業レベルでの新規材料として活用されると期待されている。

特に機械特性については、CNTよりすぐれており、CNTより大規模化ができる可能性がある。
そのため「至上最強の材料」と言われている。

とはいえ、グラフェンはまだまだ顕微鏡レベルの開発段階であり、建造物の素材となりうる大きさのシートを作り、工業用に大量生産し、人類が作り出す最大の構造物であるSEの素材として使用できるまでには、相当長い年月がかかる』と述べた。

続いて、日本大学法学部・教授の甲斐素直氏がSEの法律面での課題について講演した。

『現在のスペースシャトルの固体ロケットブースターは打ち上げ時に大量の塩酸ガスを発生する。また、スペースシャトルの後継機も固体ロケットブースターを使用する予定で、年数回の打ち上げならまだしも、人類が頻繁に宇宙に進出するには、大変問題がある。
ロケットを用いる限り、宇宙開発と環境破壊は同義語である。
地球環境のためにも可能な限りSEを早く建設する必要がある。

<国連機関として設置>

SEは、「赤道上で、地球の重力場が安定し、台風や落雷などの襲来が少ない地域に建設する」必要があるため、特定の国家や企業だけが利益を独り占めすることのないよう、人類共同の財産にする必要がある。

試案として、国際復興開発銀行のような国連機関としての設置(宇宙エレベーター機構)を提案したい。

その長所は、
1.特定国の利害から中立に運営が可能であり、
2.市場から低金利で、建設・運営資金を調達することができる点

2については、例えば、日本が保証したアジア銀行の債権はトリプルAと格付されることで、市場から建設資金を調達できる。その場合、日本は保証すると約束するだけでよく、資金を拠出する必要はない。(実際は約束した金額の5%程度を拠出)

<新条約の制定>

気象災害やテロなどでSEが破壊される可能性があるが、一番のリスクは低軌道のデブリ(宇宙ごみ)である。
地球を周回するデブリは必ず赤道を通過する。そのため、なんらかの条約による規制が必要になるが、現行の宇宙条約に定められている「有害な汚染」にデブリは含まれていない。
また、宇宙損害責任条約では「その損害が自国の過失又は自国が責任を負うべき者の過失によるものであるときに限り、責任を負う」(同・3条)と定められているため、2009年2月に起こった米ロの人工衛星の衝突のように、デブリが発生しても誰も責任を負わないということが起こる。

そのため、SEを守るための抜本的な新条約が必要になる。

その条約には、デブリを発生させないことはもちろん、損害が生じた場合は無過失責任を負うこと、人工衛星にSEを避ける機能を義務づけ、避けなければSEから攻撃・破壊されても仕方ないことを明記すべきである。また、SEを守るための監視体制も確立する必要がある。

<建設場所>

赤道上の国々の地表にSEを建設する場合には、その国々の権利を保障する必要がある(ボゴタ宣言)が、公海上の場合は人工島規模のメガフロートを建設することになる。
海洋法条約でも公海上に人工物を造ることは認められている』

講演後、「SEを国連の機関にするための手順」についての質問があった。

それに対し甲斐氏は、
『まずは日本国政府を説得し、外務省国連局を通して政府案をつくり、宇宙空間平和利用委員会(日本を含む約40ヶ国で構成。本部はウィーン)に提出。委員会内で検討を加えた後、国連総会に提案され、総会で採決を行い、30ヶ国程度の国が批准すれば条約として成立する。

多くの国の利害がからんだ海洋法は成立するまでに10数年かかったが、アメリカとソ連だけが宇宙に進出していた頃に提案された宇宙条約は、わずか3年で成立した。
SEが海のものとも山のものともわからない段階なら条約は早く成立すると思うが、建設が具体的になればなるほど条約成立は遅くなるだろう』と述べた。

また、「米ロ中国などが反対する可能性はないか」という質問については、『特定国にSEを帰属させることは、世界の軍事バランスを破壊し、戦争に発展する可能性がある。どの国も世界戦争との比較考量が浮かんでくるため、賛成せざるを得ないだろう』と述べた。

最後に、神奈川工科大学工学部・特任教授であり、8月に打ち上げが予定されている観測ロケット(ベア導電テザーの実験)の主任研究者である藤井裕矩氏が「テザー衛星の現状と展望」について講演した。

『テザーとは物体をつなぎとめるひもの意味。テザーを低高度軌道で用いれば、衛星の軌道維持だけでなく、軌道を周回するデブリを撤去でき、燃料を用いない高効率宇宙推進技術と期待されている。

テザーの特徴は、

・低価格
・簡単なコンセプト
・短時間での実現

観測ロケットによる実験の後、小型衛星による軌道上での長期間の実験を計画している。

テザーを用いた軌道変換技術の応用として、

・太陽発電衛星などの要素技術の検証
・使用済み人工衛星の自主廃棄
・他衛星の捕獲
・惑星探査機 などがあり、

また、導電テザーの理学観測の応用としては、

・高層大気観測
・宇宙天気予報 などがある。

将来的には、縦2.6km、横2.4km、テザーの長さ10km、質量2万トン、発電出力100万KWのテザー型太陽発電衛星を目指しており、その実用化時期は2030年から2040年頃とみている』と述べた。

ちなみに、宇宙エレベーター協会はSEの建設開始時期を2031年としている。

宇宙エレベーター 公開実験

(小林賢一 ロボットメディア)
robocasa
NPO法人ロボティック普及促進センター

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『近距離移動用パーソナルモビリティの市場と将来性2011』

『高齢者・障害者の次世代自立支援機器と介護者・障害者のニーズ分析2010 』

『宇宙関連ビジネスの波及効果と有望分野 (PDF版) 』

『近距離移動用パーソナルモビリティの将来性 (PDF版)』

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『2008年版 企業向けサービスロボットの導入ユーザーの評価と今後の市場』

『2007年高齢者・障害者の次世代自立支援機器の市場性と介護施設のニーズ分析』

『2006, Update on the Partner Robot Market and Analysis of Key Technologies and Parts [Color Edition]』



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