震災・原発事故におけるロボット活用について、あきらかになったこと(4)

投稿日時 2011-7-29 21:10:00 | トピック: 視点

(つづき)
東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故におけるロボットの活用について、その活動報告会と公開シンポジウムが行われた。
その中であきらかになったこと。

(4)日本の災害対策ロボットの課題と中長期的に果たす役割

・災害対策技術を開発し、それを国家規模で運用するためには消防や自衛隊との連携が必要である。
・ロボットの評価基準ができれば自治体への導入も進むのではないか。
・フランスでは事故が起こった場合に備え、法律に基づいてロボットの開発、操縦者の養成・育成、事故訓練などをする組織(Group Intra※)がある。日本にも同様の組織を作る必要がある。
・災害対策ロボットを国家規模で運用する組織を作るならば、防衛と災害対策を自衛隊の任務と位置づけ、その上で災害分野に限った部門と大学等の研究機関の連携を築くように検討がなされるべきである。
・長期的な震災の復興にむけてロボット技術だけでなく関連する技術について広く知恵を集め、そこから適時に、適した技術、適した運用を提案してゆくシステムの枠組みを作る必要がある。

ロボット研究者は自らよく動き、本当によくやっていると思うが、災害対策ロボットは「即、役立つこと」が必須に求められる分野。
個々人で動くことの限界もあきらかになっており、東京大学の中村氏が指摘しているように、「ロボット技術に限らず科学技術の突破力を引き出すことのできる社会のシステムを作る」必要性を感じた。

※Group Intra
フランスの電力庁、原子力庁、核燃料公社の共同出資で1988年に設立。
事故が起こった場合、24時間以内に専門職員と設備を派遣、輸送。施設専属のロボットオペレーターが想定される事故に対処できるよう訓練を積んでいる。遠隔操作ロボットは発電施設の運転室内操作盤の操作や配管の脱着などの工事作業、屋外の土木工事対応など、想定される緊急事態に備えている。




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