今年のロボット大印象2009

投稿日時 2010-1-13 22:03:00 | トピック: 視点

今年のロボット関連の動きをまとめてみた。

・清掃分野だけなのか

今年も実証実験やプロジェクト関連(介護・生活支援など)の動きはあっても、実用化され、販売まで至ったロボットは本当に少ない。
その理由はロボットの機能、価格の問題などいろいろあるだろうが、大手企業が安全性確保を盾に非常に保守的、及び腰、自己保身になっていることが大きな要因である気がする。

そんな中、一人(一台)気を吐いたのが、iRobot社のルンバ(参照 ロボティック・カーサの項)。
4万円台の機種の投入やユーザーサポート体制の向上、そしてなにより総販売代理店(セールス・オンデマンド)の営業努力の結果、売上を急激に伸ばし、日本での販売台数が累計10万台を突破。

来年は韓国メーカーも日本で同種の掃除機を3万円台で販売する計画もあり、掃除ロボットは掃除機購入の選択肢のひとつになりつつある。

また、業務用ではフィグラが「エフロボ・クリーン」(参照 ロボティック・システムの項)を発売。
エフロボシリーズは、自律走行ユニットと作業ユニットから構成され、作業ユニットを入れ替えることで様々な用途に活用できる多目的ロボット。
その清掃タイプである「CLEAN」は、スキャナーで取り込んだビルの平面図に基づき、指定した作業領域(最大で約1,000?/h)を自動清掃する。
その他、富士重工が廊下などの共有部以外のオフィスエリアを清掃するロボットシステムを発表した。

・やはり、ミツビシ頼みなのか

三菱重工は、9月、新型のH-?Bロケットの打ち上げと宇宙ステーション補給機「HTV」の宇宙ステーションへのドッキングに成功。また、11月にはH?Aロケット16号機(情報収集衛星)の打ち上げにも成功。
「HTV」の成功を受け、三菱電機は「HTV」搭載の近傍接近システムをアメリカ企業から受注した。
また、三菱航空機はリージョナルジェット「MRJ」を米国の地域航空会社から100機受注した。

一方、中型ロケットとして開発が進められていた「GXロケット」(ギャラクシー・エクスプレス)は、今後もエンジンの開発に膨大な経費がかかることから、開発の中止が正式に決まった。

そんな中、小惑星探査機「はやぶさ」のイオンエンジンを開発したNECは米国企業と人工衛星向けイオンエンジンの開発・販売について協業していくことを発表。
「はやぶさ」(参照 ロボティック・ミッションの項)は、さまざまなトラブルに見舞われながら、来年6月地球に帰還する予定だ。

・大黒柱の動向

サービスロボットの市場立ち上げの牽引役が期待されているトヨタ自動車とパナソニック。
両社共、ロボットの開発とその活用方法についてロードマップを発表しているが、トヨタ自動車は世界的な自動車販売の不振が影響してか、ロボットの安全性に関する基準作りの進展を待ってのことか、表だった新しい動き(プロトタイプの発表など)はなかった。
一方、パナソニックは中規模病院向け省スペース型「注射薬払出ロボットシステム」の販売と自立生活を支援するベッド型ロボット「ロボティックベッド」を発表。2015年に1,000億円のロボット事業を目指すとしている。

・いよいよ、コンテンツへ

福祉介護分野も生活分野も「モノづくり」だけでは中々人々のニーズにこたえられない中、利用の中身(コンテンツ)を重視したロボットが開発された。
ヒューマノイドロボット「HRP-4C」とリハビリ体操補助ロボット「たいぞう」だ(共に産業技術総合研究所)。

「HRP-4C」は、ファションショーのMCやブライダルショーでの花嫁衣装のモデル、また、初音ミクに扮しての歌の披露など、エンターテインメント分野での活用を模索。
「たいぞう」は、体操指導士と体操参加者の間に入ることで、高齢者の体操参加意欲を向上させて、体操指導士が効果的に指導を行えるように支援する。音声も動きも優しくかわいらしい。

また、ココロは「アクトロイドDER3」のレンタルを開始し、来年、妖精をイメージした案内ロボット「I-FAIRY」を発売すると発表した。

・今年のキーワード

省エネ、エコ運転、緊急地震速報、デジタルサイネージ、車車間通信 ・・・
ウチもソトもみんな「見える化」。



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