個人輸入、もうひとつのダビンチ

投稿日時 2008-2-6 14:03:00 | トピック: 視点

昨年、薬事法の販売承認を受けていない「手術支援ロボット」を使って保険の診療報酬を不正に請求したとして、厚生労働省は大阪や名古屋の6つ病院などに対し、過去の請求分の返還に向けた調査を行った。

この「手術支援ロボット」とは、内視鏡や鉗子などをロボットアームで遠隔操作して腹部や胸部の手術を行う「ゼウス」と「ダビンチ」、コンピューター制御のカッターで人工関節用の穴を骨盤などに開ける「ロボドック」の3種。

国が承認していないロボット機器を勝手に手術に使い、しかもそれを患者の保険診療報酬として請求したのはけしからんということなのだが、
米国製のダビンチ(da Vinci)は1997年に開発され、すでに世界で10,000を超える手術症例があり、世界で約600台が販売されている。

しかし、日本では、販売が承認されていないため、東京医科大学など4つの病院に数台が納入されているに過ぎない。

いわば、まだ「個人輸入」している状態だ。

これは高度医療の治療機会の喪失と格差を生じさせるだけでなく、世界との医療格差につながる恐れがある。
実際、最先端医療を安価な金額で受けられるインドの病院では、手術希望の欧米の患者が増加している。

術中MRI手術システムなど高度先端医療を手がける東京女子医科大学先端生命医科学研究所の村垣善浩氏は、
「日本がこの分野で遅れをとることのないよう医療機器の開発と一層の医師の技術水準の向上、そしてなによりロボット手術に対する国、国民の意識の改革が必要だろう」と述べている。

参考 : 読売新聞(2007年7月5日、27日)



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