ロボティック・プリズンとスーパーAの活用法

投稿日時 2008-1-9 16:02:00 | トピック: 視点

昨年5月、山口県美祢(みね)市に、建設と管理運営の一部を民間に委託した国内初の刑務所「美祢社会復帰促進センター」がオープンした。

この施設ではいろいろ新しい試みがなされるようだが、セコムが実施主体ということもあり、受刑者の上着にICタグを取り付け、受刑者の居場所や移動の軌跡を警備室のモニター画面で監視すると共に、受刑者が居室などに出入りするたびに指静脈画像による本人確認を行うなど、ハイテク警備をウリにしている。

この施設に収容される受刑者は初犯の者に限られ、なおかつ就業経験や出所後の身元引き受け等も問題無い「スーパーA」と言われる人たち。
ロボティック・プリズンとしての実証実験も兼ねているのかもしれない。

世界初という「刑務作業としてのソフトウェア開発」も注目される。

これまで刑務作業といえば木工や印刷などの単純手作業が中心なため、最近では人件費のより安いアジア諸国に発注されることが多く、刑務所での受注が減ってきており、また受刑者が出所後にその技術を活かせることも少ないという現実がある。
そこで受刑者の中からソフトウェア技術者を養成して、ソフトウェア開発のアウトソーシング業務を実施しようとなったようだ。

平成17年の全国の受刑者数は約6万6千人。そして毎年新たに約3万3千人の受刑者が出て、再犯受刑者はその半数を占める。(※)

再犯防止やソフトウェア労働力確保の観点からも「刑務作業としてのソフトウェア開発」はおもしろい取り組みだとは思うが、そのアウトソーシング業務を行うプリズニーズという会社の実態がよくわからないので、推移を見守る必要があるだろう。

※ 平成18年版犯罪白書 資料編



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