プレミアム・ロボット

投稿日時 2007-5-31 20:56:00 | トピック: 視点

最近の中国で「三高」と呼ばれる「新富裕層」の人たち。

彼らもやはりブランド品が大好きなようで、車はBMW、ノートパソコンはIBM、携帯電話はNokia、香水はChanelが人気だという。
メリルリンチ社によれば、現在世界の高級品の12%を中国人が買っており、2015年には米国、日本を追い越して世界一になるだろうと予測している。

経済力を急進させているロシア、インド、ブラジルなどの「新富裕層」も、きっと中国人と同じように高級品嗜好を強めていくだろう。

このような消費意欲旺盛な、世界の「新富裕層」をターゲットとした「プレミアム・ロボット」の開発が今後重要になっていくと思われる。

ユーザーの要望に応じてカスタマイズできる完全受注型のロボット。
価格は当然高額となるが、安易な価格競争に陥ることなく、世界のロボット市場で 独自のブランドをいち早く確立できる可能性がある。

そのためには、「新富裕層」を満足させるだけの機能やデザインがすぐれていること、プレミアムロボットを購入すること自体が高いステータスとなり、「上質で豊かなライフスタイル」を保障する商品でなければならない。
そして他にはない、自分だけの「特別なロボット」である必要もある。

そうでなければ、特許件数で世界を圧倒している(※)とはいえ、「ユビキタス大国」を目指すお隣り韓国の低価格路線で負ける可能性がある。

韓国では低価格をウリとした一家に一台の「国民ロボット」の普及を目指し、2006年にホームロボット600台を無料で配布。家庭におけるロボットの実証実験を始めている。
ちなみに2005年に都内限定100台で販売された三菱重工のホームロボット、Wakamaruの販売数は、目標の半分以下。無料配布とはいえ600台というのは、相当な数だといえる。

以前、銀行のプライベートバンキング層向けサービスの企画開発に携わった際、強く感じたことは、とても単純な結論だった。

プライベートバンキング層、つまり資産家イコール優良な消費者ではない、ということ。
お金を持っていても消費しない人たちが大半を占める。当然無駄なお金は使わない。

ゆえにプレミアム・ロボット」のターゲットはプライベートバンキング層ではなく、消費意欲旺盛な「新富裕層」とすべきだろう。

※ロボット関連技術の累計出願件数(1990〜1999年)
 日本15,038件、欧州3,217件、米国2,471件。
 日本のロボット特許出願割合は、65%にもなる。

参考:
毎日新聞 2006年1月15日
毎日新聞 2006年1月16日



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